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用語集

不動産用語集

あ行か行さ行た行な行は行ま行や行ら行わ行

あ行

青地水路や河川のこと。旧公図では青く塗りつぶされていた事に由来する名称であり、国や地方自治体などが所有している。なお、旧公図からの由来である事から、現況が水路や河川でない場合も多い。

赤道公図において地番が記載されていない土地の一つで、道路であった土地を指す。本来ならば土地には地番が割り振られ、これにより土地の所有者などがわかるが、地番が割り振られていない無番地がまさに赤道となる。公図に赤色で色付けされることから「あかみち」と名付けられた。赤地とも呼ばれる。

青色申告不動産所得のある個人が所得税を確定申告で申請する手続きの一つ。1年間の取引を正規の複式簿記で毎日記録したうえで「青色申告承認申請書」と共に提出する必要がある。青色申告特別控除が受けられる、赤字損失分が3年間繰越しできる等のメリットが得られる。

頭金住宅の購入代金で住宅ローンなどを使って分割払いする際に、最初に支払う代金が頭金。基本的に頭金は分割代金よりも高額になることがほとんど。手持ちの預貯金などから支払われるものであり、自己資金とも呼ばれる。不動産価格から住宅ローン借入額を差し引いた金額が頭金。たとえば4,000万円の分を購入して3000万円の住宅ローンを借り入れたとすると頭金は500万円になる。

アフターサービス引き渡し後に起きた不具合などに関して、一定期間無償で補修するサービスをアフターサービスという。建物の部位によって数十項目にわかり細かく定められている会社もあり、主要構造部とそれ以外といったごくシンプルなケースがある。大手住宅メーカーでは10年から20年の長期保証を実施されているケースがほとんど。

遺産分割協議書遺言がない遺産の場合には、遺産をどのように分割するのかについて共同相続人全員で話し合って決めなくてはならない。その際に合意した内容を記した書類を遺産分割協議書と呼ぶ。遺言がある場合でも、遺産執行人が指定されていなかったり、相続人全員に不服があったりする場合には遺産分割協議書を作成する。

委託管理マンションの共有施設や共有部分の維持管理方法の一つ。管理会社などに管理業務のすべてを委託する全面委託管理と、管理業務の一部を委託する部分委託管理がある。全面委託管理は、管理組合側の手間や負担が軽減されるのがメリット。しかし、管理委託費が高くなる傾向にあるうえ、管理組合の管理意識が低くなることがデメリットとされる。

位置指定道路私道のうち、都道府県知事や市町村長などのような特定行政庁より土地のこの部分が道路であるという指定を受けた道路を指す。位置してい道路の所有者は、あくまでこの道は公道ではないため、その道路の登記を受けた人となり、所有者は自ら管理やメンテナンスを行う必要がある。

一般定期借地権借地借家法で定められている定期借地権の一つで、50年以上にわたって土地が利用できる借地権のこと。主に借地権つきマンションで利用されている。契約期間満了後は借地を更地にして所有者に返還しなければならない。定期借地権には、ほかに建物譲渡特約付借地権や事業用定期借地権がある。

一般媒介契約専属専任媒介契約と異なり、売主や借主が複数の不動産会社に重複して依頼できる媒介契約のこと。レインズの登録義務がなく、売却物件情報が公にならない。顧客は複数の業者と契約でき、業者間の競争心をあおることもできる。明示型と非明示型がある。

移転登記不動産を売買取引する際、売主から買主へ不動産の所有権が移転したことを公示している登記のこと。所有権移転登記ともいう。不動産の売買、譲渡、相続をする際に法務局で申請する必要がある。これにより不動産の持ち主は不動産の所有権を主張することが可能になる。

委任仕事や法律行為をなすことなどを他の人に委託することを委任と呼ぶ。病気療養中、手続き行う時間が作れないなどの事情により、土地や住宅などの不動産の売却手続きを代理人へ委任する場合には、代理権委任状が必要となる。

違約金不動産の売買契約において、売主または買主のどちらかに債務不履行があった場合、債務不履行をした者が相手方に支払わなければならない金銭のこと。あらかじめ債務不履行があった場合に備え「損害賠償額の予定」を定めておき、その賠償額のみを違約金として支払うことになる。

印鑑証明印鑑を押した跡(印影)が届出してある印鑑と同一であることを証明する、官公庁の書面。不動産の登記事務、公正証書の作成などに欠かせない。一般個人の印鑑は市町村、区に、法人の代表者等は登記所に印影を届ける。印鑑証明した印鑑は、実印と呼ばれ社会的な効力を持つようになる。

印紙税不動産における売買契約書や建物の建築工事請負契約書、金銭消費賃貸契約書などといった一定の課税文書に課税される税金を指す。印紙税の額は、契約書に記載された金額をもとに決められており、契約書を作成した人物が収入印紙を契約書につけるもの。さらに印紙に印鑑を押すことで納付された証拠となる。

内金売買契約成立後に、代金の一部として買主から売主へ前もって支払われるもののこと。「内入れ金」ともいい、手付とは異なる。売主に抵当権を抹消してもらうとき、引き渡し前に「中間金」として支払うときに用いる。一般には価格の20~50%である。

おしどり贈与「贈与税の配偶者控除」の通称。これは、結婚生活が20年を超える夫婦間で居住用の不動産か居住用の不動産を購入するのお金を贈与する場合、2,000万円までなら配偶者控除できる特例である。長きにわたって生計を一つにしてきた夫婦間で贈与税を優遇するのが目的。

親子間借入親子の間で行われる金銭の借り入れのことを親子間借り入れという。親子間で行われた贈与であると税務署側から判断されてしまい、贈与税の課税対象となる場合がある。課税されないためには、金銭消費貸借契約書を作成、一定の利息をつける、毎月確実に返済するなどしておく必要がある。

意思能力契約などの法律行為を遂行する際に、自分の権利や義務などがどう変動するかを理解することができる精神能力のこと。なお、不動産売買を行う際に、意思能力が欠いた状態で契約を行った場合には、無効となる。7歳程度の判断能力を有しているかが意思能力があるかどうかの判断基準とされている。

囲繞地通行権公道に接していない土地の所有者が、その土地の所有者の承諾なしで公道までを通行できる権利のこと。囲繞地通行は、民法の民法210条から213条で定められている。通行者は、通行料の支払いを行い、通行可能な土地の制限を受ける場合がある。

居抜き店舗や工場、飲食店、旅館などにおいて、設備や什器備品、家具などがそのままついた状態で売買や賃貸借が行われていることをいう。設備がついた状態で購入したり借りたりした場合は、その分初期費用を抑えることができるだけでなく、早期に営業を開始できるメリットがある。

越境建物や建物の付属物などが敷地境界線を越えて隣接地にまで入り込んでいること。樹木の枝がはみ出している場合も越境となる。注意しなければならないのは、地下の水道管やガス管など見えないもので、隣接地を通っていれば同様に越境とみなされる。

か行

朽廃 建物が経年により価値がなくなったこと。人が住めなくなってしまった状態。手で押したときに倒れてしまいそうな状態が、朽廃の目安といわれる。ただし人が手を加えたり、火災や台風、地震等の自然災害でダメージを負ったりした場合は朽廃にはあたらない。

供託 公的機関が代わりに家賃などを預かる制度。家賃交渉が決裂、行方不明になったなど何らかの理由で、家主や大家が家賃や地代などを受け取りできない場合に、法務局等の公的機関の供託所へお金を預けること。供託をすることで、家賃や地代を支払ったのと同等の効果が得られる。

堅固建物 旧借地法の条文に規定されている概念であり、石造、土造、レンガ造、コンクリート造、ブロック造等で造られた、非堅固建物である木造住宅に比べて丈夫な建物を指す。堅固建物と非堅固建物かどうかによって、借地の契約期間やに更新期間などに差が生じる。

公図 公図は登記所に備え付けられている地図で、土地の区画や地番、形状などが記入されている地図のこと。公図により土地の境界や建物の位置、不動産登記の確認ができ不動産取引には重要なもの。土地区画整理施工済区域内を表したものと、土地台帳附属地図を流用したものがある。

公正証書 個人や法人からの嘱託を受けて、公証役場で公証人が作成する契約書や合意書。内容については、遺言、不動産売買契約、不動産賃貸借契約、金銭消費貸借契約などが一般的であるが、公序良俗に反していなければどのような内容でも作成できる。

買い替え特約 買換は、不動産を売却した資金を、別の不動産の購入費用にあてることを意味する。万が一、不動産の売却がうまくいかなかったときには購入資金がなくなってしまうため、別の不動産購入の契約自体を白紙に戻せるという特約のこと。

解約手付 一度締結した契約を後で解除することができる手付のこと。解約手付を設定しておくことで、買主側が解約手付を放棄すれば、売買契約が無効になる。また、売主側が手付の倍額を買主側へ支払うことでも、契約を解除できるようになる。

価格査定 土地や建物がいくらで売却できるか不動産会社が取引価格を算出すること。周辺相場や取引事例など客観的なデータに基づいたうえで評価される。データからおおむねの価格を査定する簡易査定(机上査定)と、物件の状態を調査したうえで査定する詳細査定(訪問査定)がある。

確定申告 納税者が1年間の所得と所得課税額を税務署に自分で申告する手続きのこと。会社員は基本的に不要だが、住宅を購入して「住宅ローン控除」や「3,000万円特別控除」などを利用した場合、給与収入が2,000万円以上または副業収入が20万円以上ある場合は申告しなければならない。

瑕疵 瑕疵は傷や欠点のこと。不動産においては造成不良や設備の不具合などを指すほか、法律的な欠陥も含まれる。瑕疵の基準は対象となる不動産物件ごとに異なるが、その物件なら備わっていて普通とされるものに不具合が生じていると、瑕疵があるとみなされることが多い。

瑕疵担保責任 瑕疵担保責任戸建てやマンションなどの不動産物件の売買契約時に、気づいていなかったことや故意に隠した瑕疵があった場合に、売主側が買主側に負う責任のこと。瑕疵担保責任の期間や範囲は通常契約書に明記され、契約解除や損害賠償という形で負うことになる。

課税取引 商品の購入など消費税が課税される取引のことを課税取引と呼ぶ。不動産に関係する課税取引としては、固定資産税や都市計画税などがある。また、住宅を購入した際の消費税、不動産所得による所得税などもこれに該当する。

課税標準 税金を計算する際の算定基準のこと。課税標準は、所得税、法人税など税の種類によって算出方法が異なっている。登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税などの不動産に関係する税金の場合は、総務大臣が定めている固定資産税評価額が課税標準となる。

元金均等返済 元金均等返済は、借金の返済のときに毎月の返済額の中で元金部分を均等額として定め、それに利息を合計して返済していく方式。この方式であれば返済が進むにつれて返済の金額が少なくなる。毎月発生する返済額の元金の部分を均等額にしているため、ベースとなる元金の部分が減ると利息の額面も早く減っていく。同じ期間で返済する場合においては他の方式のものよりも最終的な支払い金額が少なくなる。

管理会社 不動産における管理会社は不動産のオーナーと入居者との仲介者となって物件の客付けや、建物の管理を行っている会社。具体的には入居者募集、賃貸物件のメンテナンスや家賃や敷金の管理、退室する際の原状回復やリフォームなどを行う。オーナーからの管理料が収入源。

管理規約 区分所有法に基づき定められている規約のこと。マンションなどの不動産物件の管理や運営に関して、所有者相互間で取り決めた規則のこと指しており、専有部分や共有部分の範囲、使用細則、総会の議決権などが定められている。

元利均等返済 毎月の返済額が一定に設定されている返済方法のこと。元利均等返済は返済額が一定となるので、返済計画が立てやすく、借入時の返済額を少なくできたりするメリットがある。デメリットは、総支払利息が多くなる可能性のあることが挙げられる。

管理組合 マンションなどの区分所有建物の建物や敷地、付属施設の管理を行うため区分所有法に基づき区分所有者全員で組織する団体を管理組合をいう。管理組合という言葉は区分所有法上では使用せず、区分所有者の団体という。管理組合の運営は共同生活を円滑にするために必要で、年に1回は総会を開き、管理に関する議題や予算などの計画を立てる。

管理形態 マンションの管理人の勤務形態によって分類される管理のあり方のこと。管理形態は、管理人が住み込む住込管理、管理人が通勤して業務を行う日勤管理、決めた日に訪問する巡回管理、管理人を置かない自主管理などがある。

管理費 マンションやアパートなどの集合住宅、戸建て、店舗や事務所などの賃貸用物件を管理するために必要となる費用のことで、借主が貸主に対して支払う金銭のことを指す。管理費は、共益費という名称で呼ばれることもある。

共益費 賃貸物件などの集合住宅において、家賃とは別に発生する費用の一つで、共用部分の維持管理や施設の運営に必要な費用。たとえば共用部分の電気代や水道代、浄化槽点検、ゴミ置き場の清掃費などがこれにあたる。一般的に家賃の5%から10%で構成。

競売 債権者が債務者の住宅や土地などの不動産を競りにかけて、その売却代金によって債務の弁済を受けるという制度のこと。日本国内では、地方裁判所が行う競売のことを指しており、債務の履行できなくなったなどの事情で差押えられた不動産が対象となる。

共用部分 マンションなどの区分所有建物にて区分所有者全体で所有しているしている部分を共用部分と呼ぶ。共用部分以外の部分は専有部分と呼ぶ。たとえばエレベーターやエントランス、防犯設備、また住戸に接しているものであっても窓ガラスやバルコニーや玄関の扉、インターホン、専用庭、目隠しルーバーなどは共用部分となる。

居住期間 ある場所に世帯の世帯員が住んでいる期間のこと。不動産における税法上では、入居した日から転居する日までの日数を指す。不動産を売却する場合は譲渡所得を計算するため、所有期間、建築年数と共に居住期間の判定が必要となる。

居住用財産の買換え特例 住宅を買換る際に、売却する住宅が購入時より高く売れて譲渡益が出た場合に適用される特例のこと。住宅の売却額よりも、買換額の方が多い場合には、新しく買換た住宅を売却するときまで、課税を先延ばしできる。住宅や土地など居住用の不動産の所有期間が10年を超えて、居住期間が10年以上の場合に適用される。

銀行ローン 都市銀行、地方銀行、信用金庫などの民間金融機関が扱っている住宅ローンのこと。以前は日本政策金融公庫が住宅ローンを扱っていたが、現在は民間の銀行ローンに中心が移っている。さまざまな金利タイプがあり、返済能力にあわせてローンを組むことができる。

金銭消費貸借契約 住宅ローン等の借主が将来一定の利息をつけて変換することを約束したうえで、金融機関などの貸主から金銭を借り入れる契約を指す。住宅ローン借り入れの際の、住宅ローン契約、金消契約と呼ばれることも多い。この金銭消費賃借契約には、借入額、金利、金利タイプ、返済期間、担保などといった細かな点を定めるようになっている。

クーリング・オフ 売買契約の申し込みにおいて、一定期間(8日間以内)ならば無条件で撤回・解除ができる措置のこと。宅建業法37条の2によるもので、訪問販売、一定の宅地建物の取引などに適応される。ただし8日間以内でも代金支払い後、建物引き渡し後は適応されない。

区分所有権 分譲マンションなどの専有部分を所有する権利のこと。分譲マンションやオフィスビルなど1棟の建物の中に、複数の住居や事務所などがある場合に、その独立した部分を所有する権利のことを区分所有権と呼ぶ。独立した部分に関しては専有部分となり、購入者が自由に使用し、売却や譲渡ができる。

区分所有法 正式名称は、建物の区分所有等に関する法律のこと。マンション住人の財産を守り、トラブルを防いで円滑な関係を築くことを目的として制定された。専有部分や共用部分などの権利に関すること、管理者・管理規約・集会等に関することが定められている。

繰り上げ返済 住宅ローンを借り入れている場合、毎月の返済額とはまた別としてまとまった金額を返済する方法を指す。残債を一括で返済してしまう全額繰り上げ返済と、一部を返済する一部繰り上げ返済がある。ただ、一部繰り上げ返済は、金融機関によって繰り上げ返済できる額に制限が設けられている。返済については元本にあてられるために、その分の支払利息がなくなることになるため、総支払額を減らすことが可能。

減価償却 古くなるにつれ価値が減少していく固定資産を所得した際に、耐用年数に応じて取得価額(購入代金)を計上していくこと。建物や建物に付属する設備、車両などの償却資産は減価償却の対象になる。事業用不動産と居住用不動産では減価償却法が異なる。

減価償却費 古くなるにつれ価値が減少していく「減価償却資産」の購入時に費用計上する勘定科目のこと。建物や構築物、車両などが対象で、耐用年数に応じ取得価額を少しずつ計上していく。毎年同額ずつ償却される定額法と一定の割合で償却する定率法があり、通常は定額法が適用される。

検査済証 建築基準法第7条第5項によって定められた建築確認、中間検査、完了検査などが完了した際に、建築主事もしくは指定確認検査機関から交付される書類のこと。住宅などの建物を建築する際には、これらの検査が義務付けられている。

源泉徴収 給与や報酬を支払う側が、支払いの際に所得税を差し引いて納税する制度のこと。源泉徴収によって引かれた所得税が多い場合の会社員や公務員は、年末調整で還付が受けられる。途中で退職した者や、自営業者の事業所得などの場合は、確定申告を行わなくてはならない。

減損会計 固定資産に関する会計処理の一つ。購入した固定資産に対し、売上の回収が見込めなくなった場合、一定の基準に基づき会計上で資産価値を減額する処理を行う。上場企業は減損会計の導入が義務付けられ、非上場企業も適用が求められている。

建築確認 建築物の工事着手前に、建築基準法令や建築基準関係規定などに適合しているかどうかを審査すること。建築主は建築確認を申請する義務があり、建築主事などが確認を行う。新たに建物を建てる際だけでなく、大規模な修繕工事を行う際にも、建築確認が必要となる。

建築基準法 建物を建築する際には敷地、構造、設備、用途に関する守らなければならない最低基準となる法律を建築基準法と呼んでおり、市街地建築物法に代わり1950年に制定された。国民の生命・健康・財産の保護を目的として都市計画法や宅地造成等規制法、消防法といった法律とも関連している。

建築面積 建物の屋根、壁、柱がある構造の建築物の面積。建物を真上から見て太陽が来たときに建物の下へできる影の面積・水平投影面積にあたる。基本的に建物の1階部分の面積が建築面積とイコールになるという考え方。ただし、2階が1階よりも面積の広いケースでは2階部分が建築面積になるケースもあり。

建ぺい率 建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合を指す。自治体によって建築する建物の建ぺい率の上限が定められており、用途地域と呼ばれるエリアごとに都市計画によって指定されている。たとえば敷地面積が100㎡ある土地に60㎡の建物を建てたのであれば、建ぺい率は60%。

権利金 土地や建物など借地契約を結んだり、譲渡を行う際に、借主側から貸主側へ支払われたりする金銭のこと。この権利金は賃料とは別に授受されるものであり、借地の契約が終了した際に返還されない。権利金の額は地域によって異なり、地価の6割から7割程度となっている。

権利証 不動産を取得した際に法務局から交付される書類は、正式には登記済権利証という。土地や建物を取得し、相続などにより不動産を取得して、登記をすませた人に対して、法務局から交付される書類のこと。権利証は2004年まで発行されていたが、現在では登記識別情報が発行されている。

広告表示有効期限 不動産の表示に関する公正競争規約によって、パンフレットや新聞折込チラシなどの不動産取引に関する広告表示を行う場合には、その広告に記載した物件の価格や賃料などの取引条件における有効期限の表示が義務付けられている。

工事請負契約 住宅の建設やリフォーム工事などを行う際に、施工業者との間で結ぶ工事や建築に関する契約のこと。住宅建築工事請負契約、住宅リフォーム工事請負契約などとも呼ばれており、契約書には発注者や請負者の氏名、工事内容、工事完了や完成引き渡しの時期などが記載されている。

公示価格 国土交通省が毎年公示する標準地の価格のこと。これは地価公示法に基づき、毎年3月に公示されるもので、土地が適正な価格で取引されることを目的としている。また、固定資産税評価や相続税評価の基準ともなる。

公租課 国税や地方税の総称。租税公課ともいう。一般には所得税、法人税、都道府県民税などを指す。不動産の売買契約で買主と売主が公租課を分担する場合、公租課とは不動産に課される固定資産税や都市計画税を指していることが多い。

高度地区 都市計画法に基づく地域地区の一種で、建築物の高さに制限を設けている地区を指す。建築物の高低に制限を設けるのが目的だが、制限されるのは高さのみである。また、高度地区の導入の有無や制限の内容については自治体ごとに異なる。

高度利用地区 都市計画法に基づく地域地区の一つ。土地の利用状況が著しく低い地区において、合理的で健全な土地の高度利用と都市機能の更新を図ることが促進される地域。建築物の大規模化や道路整備などを行い、市街化と都市機能の向上を目指す。

合筆 隣接した二筆以上の土地を一つ(一筆)の土地にし、法的に合体させることを合筆という。筆という単位は、土地登記簿において一つの土地の地番を表す。土地の所有者が登記所へ土地合筆登記を申請することで認められ、合筆後は土地を隔てた境界線が抹消されることになる。

公簿売買 土地の売買に関連する契約方式の一つ。土地の登記簿に記載された表示面積によって売買価格を確定して取引を行い、後に実測した面積との間で万が一差が生じたとしても売買価格を一切増減しないと定めた方式。

国土交通大臣免許 宅地建物取引業者が、2か所以上の都道府県に事務所を設置して営業活動を行おうとする場合には、国土交通大臣免許が必要となる。大臣免許とも呼ばれる。なお、一つの都道府県内に事務所をおいて営業する場合には、都道府県知事免許が必要。

固定期間選択型 住宅ローンの金利タイプの一つであり、借主が選択した固定金利期間の間は金利が一定になるというもの。この固定金利期間は2年、3年、5年、7年、10年、15年、20年から選ぶことができる。基本的に金利期間が短いほど金利が低く設定されているのが特徴。

固定金利 住宅ローンの借入時から決められた一定の期間、一律で金利が変わらない金利タイプ。固定金利には固定金利期間選択型と、全期間固定金利型がある。固定金利期間選択型は、3年、5年などの一定の固定金利期間を選び、その期間が過ぎたらさらに次の金利タイプを選ぶ。金利タイプを変えることも可能。全期間固定金利型はローン借り入れ当初から完済まで金利は変わらない。

固定資産税 土地や家屋、償却資産といった固定資産を所有する人に課税される税金のことであり、市町村が徴収している。毎年1月1日現在の固定資産の所有者に納税義務が発生。家屋の固定資産税額は固定資産評価額をもとにして算出されており「固定資産評価額×税率」で計算されている。税率は各自治体によって異なるが、一般的には標準税額1.4%を採用している自治体がほとんど。

固定資産税評価額 各市区町村が固定資産評価基準に基づき個別に決める不動産の評価額。市区町村が課す固定資産税を計算するときなどの基準となるもの。土地の場合は、時価の約70%が目安とされる。建物の場合、規模や構造、築年数などによって異なる。

旧借地権 平成4年8月に借地借家法が改正され新法が施行された以前の、旧借地法時代に設定された借地権のこと。契約期間や更新期間などが新法と異なり、新法よりも借主がより保護されている。契約期間を定めないと非堅固な建物は30年、堅固な建物は60年になるなど長期に借りる権利が生じる。

継続地代 土地を借りるために支払う賃料(地代)の一つ。土地の賃貸借等を継続するにあたり、特定の当事者間において成立するであろう経済価値を表示する適正な地代を指す。継続地代を求める際は、不動産鑑定士がスライド法、利回り法、差額分配法などに基づいて評価を行う。

さ行

差額配分法 不動産の継続賃料を算定する手法の一つ。対象となる不動産の現行の賃料と新規賃料との差額を借主や貸主へ分配することを基本としている。差額配分法は「現行賃料+(新規賃料-現行賃料)×差額の配分率」という計算式で求められる。

借地権価格 建物の所有を目的とする土地の賃借権または地上権が設定された借地の価格。借地権を売買する際や、相続税や贈与税の対象となる際の基準となる。自分が使う自用地としての価格に、国税庁が公表する借地権割合を掛けて求める。

借地人 建物の所有を目的とする地上権者、もしくは土地の賃借権を有する者のこと。たとえば住宅や事務所などを建てるために土地を借りた場合には、借地人となる。借地人については、借地権者という名称でも呼ばれている。

底地人 土地を借地権や地上権を設定して借り受け、その土地に建物の所有や利用を目的とした建物を建ている権利者のこと。底地人は地主に対して地代等を支払っている。土地の所有者は底地に底地人が所有する建物が建っているため、土地の売買価格が下がるなど制約が加わる。

新規地代 地代は土地を借りる場合に発生する賃料のこと。この地代は、新規地代と継続地代の2種類がある。新たに土地を貸し出す際の地代のことを新規地代という。新規地代は、需要と供給の原則によって定まるのが原則である。

スライド法 不動産の継続賃料を求める際の手法の一つである。これまでの賃料が物価と連動することを基本的な考えとしている。スライド法での賃料の求め方は、現行賃料を定めた時点における純賃料に対して変動率を乗じ、その額対して価格時点の必要諸経費の加算を行う。

新規地代 地代は土地を借りる場合に発生する賃料のこと。この地代は、新規地代と継続地代の2種類がある。新たに土地を貸し出す際の地代のことを新規地代という。新規地代は、需要と供給の原則によって定まるのが原則である。

借地権非訟事件 裁判所が地主に代わって、建て替えや増改築や売却などの許可をする手続きのことを借地非訟という。借地権非訟事件には、借地条件変更申立、増改築許可申立、賃借権譲渡・土地転貸許可申立、競売に伴う土地賃借権譲渡許可申立などの種類がある。

取得費 土地や建物など不動産を手に入れるときにかかった費用のこと。取得費に含まれるものとして、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料などがある。そのほかにも、仲介手数料、建物の取り壊し費用、改良費なども取得費となる。

小規模宅地の評価減 相続開始の直前に、被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族が、居住用や事業用に使用していた土地を相続や遺贈によって取得し、一定の要件を満たす場合に、相続税の課税価格の評価において、一定の面積まで50%または80%の減額が受けられる制度。

償却率表 減価償却費を計算するときに必要な、償却率が記載されたチェック表のこと。建物の価値は年数が経過するごとに下がっていくが、どのくらいの価値があるのかを計算する際に、この償却率表を用いて計算することで算出できる。

譲渡所得 土地や建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡した際に取得時より利益が出た場合のこと。譲渡所得は収入金額から取得費と譲渡費用を控除し、それぞれの譲渡財産の種類や性質によって定められた特別控除額を差し引いた額となる。

譲渡損失 不動産物件を売買した際に生じる損失のこと。ローンの支払いで生じる利息など、不動産の資産価値とは直接の関係がない金額も含めて計算する。売却損とも呼ばれ、損失額には所得税や住民税は発生しない。地価の変化に影響されやすいのも一つの特徴である。

譲渡費用 譲渡するために直接支出した費用のこと。不動産を譲渡する場合の主な費用の項目として、仲介手数料・売買契約書の印紙代・測量費用・分筆費用・更地で売るときの建物取壊費用・売却のために借家人を立ち退かせるために支払った立退料・売却のためにいった建物の補修費・買主と交渉のために要した交通費、などがある。

消費税 国内において、商品の購入、サービスの享受などの消費行動に対して課税される税金のことである。不動産取引においても原則として消費税が課税されるが、土地の譲渡や貸し付けする際や住宅の家賃などに対しては課税されない。

諸費用 諸費用は土地家屋を購入するときに、その購入価格、建築費用などを除いたもので必要になる費用のこと。たとえば印紙税や保証料や保険料、不動産の登記のためのコストなども該当。住宅ローンの借り入れのために支払うさまざまな費用。

所有期間 土地や建物などの不動産を所有していた期間のこと。不動産を譲渡する際には、その所有期間によって譲渡所得に対する税率が異なる。譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得、所有期間が5年以上の場合は長期譲渡所得となる。

所有権 所有権は土地や建物などの不動産や特定のものを所有し、自由に使用・収益・処分することができる権利。民法で定められ、ものの全面的な支配権を有する。不動産の所有権を有する者は不動産登記において、所有権者として登記される。

新耐震基準 建築物の設計において適用される地震に耐えうる構造の基準を指す。1981年6月1日に施行され適用された基準となる。新耐震基準は、震度5強程度の地震ではほとんど損壊せず軽いひび割れ程度ですむように、そしてさらに震度6強から7程度の地震では建物が倒壊や崩壊しないようにするようにと定められている。旧耐震基準に比べ、想定する地震の大きさがや被害の程度が大きくなっている。

税務署 租税制度を管理する国税局の出先機関として各都道府県に設置され、国税の徴収や管理をとりおこなっている省庁のこと。20万円以上の不動産所得があるとき、会社員が住宅ローン控除を受けるときは税務署へ確定申告を提出する。

税率表 税金を計算する際に、課税標準額に乗じられる税率を記している表のことである。たとえば、贈与税の場合には、原則的な税率表、直系尊属から贈与を受けた場合の2種類の税率表があり、贈与の額に応じて税率が異なっている。

接道義務 都市計画区域の中で住宅を建築する場合、原則として幅員4m以上(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域について6m以上のケースあり)が必要であること、そして2m以上設置した敷地である必要があると定められている。たとえば道路から奥に入った土地に建てられたものを旗竿地と呼ぶが、旗竿地の場合は必ず道路と間口が2m以上接していなければならない決まりがある。接道義務は防災上の考え方から、消防車が通れる道作りを考慮した結果定められたもの。

セットバック 建築基準法において、家を建てるための土地は4m幅以上(あるいは地区によって6m以上のケースもあり)の道路に2m以上接していなければならない、という接道義務がある。そのため接道義務の条件を満たしていない場合は、自分の土地ではあるものの、一定の部分は建築することができないことがあり、土地から一定の部分を後退させて建てることをセットバックという。

専属任媒介契約 不動産会社に不動産売買の依頼をするにあたり、依頼者はその宅建業者が見つけた相手方だけと取引することを約束する媒介契約の一種。他の不動産会社と重ねて媒介契約を締結することができないだけでなく、自分で発見した相手と直接取引することも禁じられる。

専任媒介契約 不動産会社(宅建業者)に不動産売買の仲介を依頼する場合に、一つの宅建業者だけと媒介契約を結び、他の宅建業者には依頼しないことを約束する媒介契約。依頼者が自分で発見した取引相手と直接契約することは許される。

専有部分 マンションなどといった区分所有建物で、区分所有者たちが単独で所有している建物の部分を指す。さらに専有部分の面積は、専有面積と呼ばれている。一方で、区分所有建物に対し、区分所有者全員が共有している建物の部分を共用部分と呼んでいる。

専用使権 マンションなどの建物や敷地の共用部分の一部に関して、特定の区分所有者が使用できる権利のこと。たとえばマンション1階の専用庭、駐車場、ルーフバルコニーなどがこれに該当する。専用使権を有する人は、専用使用料を支払うのが一般的。

専用庭 分譲マンションにて敷地内に設けられた庭やテラスにあたる区分所有建物であり、ほとんどのケースで1階の住戸の居住者が、専用で使えるように作られている小さな庭を指す。基本的に専用庭使用料がかかることが多く、管理組合に支払うことになるが、共用スペースとなるため管理規約において定められたもの以外、たとえば物置やサンルームなどを設置することはできない。

再建築不可 建物を作ることができない土地のこと。すでにある建物を解体して更地にした場合、再び建物を作ることはできない。建築基準法で定められている、幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない接道義務を満たさない土地が該当する。

財産評価基準 固定資産税や相続税などの税金を算出する際の算出基準値のこと。不動産を相続し、遺贈や贈与により取得した場合に、相続税および贈与税の財産を評価する場合に適用される。国税庁が毎年決定して、財産評価基準書を公示している。

残債 仮入れたローンを返済している時点の、返済していない借入金の残額のこと。ローンの残債は「ローン残高」とも呼ばれる。住宅ローン控除を受けるとき、ローンの借り換え、家を売却する際に算定する必要がある。残債が多いと住み替えするとき不利になるので、早めに残債を減らすことが望ましい。

市街化区域 都市計画法に基づいて定められている都市計画の一種で、街を活性化させるために活用される地域のことを市街化区域という。市街化区域は、すでに市街地を形成している区域、およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域と定義されている。

市街化調整区域 都市計画法により市街化が抑制される地域。原則として、住宅や商業施設などを建築することが認められない。農林漁業との健全な調和を図りながら、文化的で機能的な都市形成ができることを目的にして定められた地域。

事業用借地権 事業用に限定して貸し出しを行う定期借地権のこと。借地借家法が改正されたことで、事業用借地権の存続期間に関しては10年以上、50年未満へと改められている。借地期間が満了したら、土地を更地にして返還しなければならない。

自主管理 マンションの管理業務を管理会社へ委託せず、管理組合自身で行うこと。自主管理にすることで、管理が主体的となり住民同士の交流が活発になる、管理費の支出を減らせ、修繕積立基金の積み増しになるなどのメリットが得られる。

実測売買 実際に土地の測量を行い、算出された実測面積によって売買の金額を確定する方法のこと。土地家屋調査士など不動産取引に関する資格を持つ人間が測量を行うため正しい数値を算出できるメリットがあるが、その一方で手間がかかるデメリットもある。

私道 公道とは異なり、私有地に設けられた個人や法人が所有している道のことを指す。私道には、特定の個人のために造られたもののほかに、不特定多数の人が通行するために造られるケースもある。敷地内に設けられた私道にする部分のことを私道負担と呼ぶ。

借地権 土地を購入しなくても建物を建てることが可能である。それは地主から、建物を所有する目的で地代を払い土地を借り使用できる、権利を得ることである。この権利を借地権という。借地権には賃借権と地上権の2種類がある。賃借権は第三者に建物を売却する場合は地主の承諾が必要となるが、地上権は売却や転貸することが可能である。

斜線制限 敷地の周囲にある道路や水路、隣地、河川公園などから架空の斜線を引き、その範囲内にしか建築をすることができないと定めた建築物の各部分の高さを制限するもの。通風や採光を確保することで良好な環境を保つために、建築基準法第56条で定められた。用途地域などにより制限される高さの算出方法は異なる。

社内融資 勤務先で独自にいっている融資制度。社員を対象にし、無利子や低利子で貸し付けが受けられる。金融機関などの市場金利より、はるかに低い利率で借りるため、福利厚生的な要素を持ち合わせている。返済は給与天引きなどによって行う。

住居専用地域 都市計画法で定められた用途地域の一つで、住宅を建築するのに適した地域。居専用地域も低層住宅専用、中高層住宅専用などいくつかに分類されている。住居専用地域ごとに建ててよい生活関連施設や教育機関も制限されている。

住居地域 都市計画法によって定められている用途地域のうち、主として住居の環境を保護するために定められた区分のこと。住居地域は、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域などがある。

修繕積立一時金 マンションの管理組合が臨時に徴収する修繕費用のこと。大規模修繕を行う際に、毎月徴収している修繕積立金だけでは資金が足りないときなどに支払う。また、新築マンションへ入居する場合に、一時金として支払うこともある。

修繕積立金 マンションなどのような区分所有建物において、建物の壁や屋上、エントランスなどといった共有部分を維持のために、大規模な修繕が行われることがある。こうした莫大なコストが必要となることに備えて、資金を毎月、区分所有者から徴収して積み立てていくもの。

住宅家屋証明書 一定の要件を満たし居住用の住宅を新築もしくは取得した家屋について、所有権の保存登記等にかかる登録免許税の税率の軽減措置を受けるために添付する証明書。要件はいくつかありたとえば、個人が新築した家屋なら新築後1年以内、建築ご使用もしくは使用していない家屋、建売住宅や中古住宅の場合、取得後1年以内に登記を受けるなどといった決まりがある。

住宅金融公庫(独立行政法人支援機構) 1950年に設立された特殊法人である。住宅資金融資や財形住宅融資などの業務、証券化支援事業などを行っていた。2007年4月1日に住宅金融公庫は廃止されて、権利義務はすべて独立行政法人支援機構へ引き継がれている。

住宅金融支援機構 フラット35の提供などを行う独立行政法人。旧住宅金融公庫の業務を継承して、2007年4月1日に発足した。所管省庁は国土交通省住宅局と財務省大臣官房政策金融課。民間金融機関と提携してフラット35の提供、省エネ住宅など普及促進などを行っている。

住宅取得資金にかる相続時精算課税 父母または祖父母から、自分が居住する住宅の新築や取得、増改築等をするための住宅取得等資金を贈与された場合、一定の要件を満たすことを条件に贈与税の課税を受けず、相続が生じた際に精算することが認められる制度。

住宅性能表示制度 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、良質な住宅を安心して取得できるよう、住宅の性能をわかりやすく表示することを定めた制度。住宅の性能の評価は中立公正な第三者機関が行うことで客観性が担保される。

住宅品質確保促進法 正式名称は住宅の品質確保の促進等に関する法律。住宅性能表示制度、新築住宅における瑕疵担保期間10年の義務化、トラブル発生時の指定住宅紛争処理機関の整備、以上三本柱となっている。住宅の品質が確保できる体制を整備することで、安心して住宅取得ができることを目指す。

住宅ローン控除 年末時点の住宅ローン残高の1%を所得税、住民税から控除するという制度。控除適用期間は、ローンの借り入れをはじめてからの10年間。ただし2019年の消費税10%増税に伴って、消費税10%で住宅を購入し、さらに2019年10月~2020年12月末までに入居した場合はさらに3年延長される。

収入合算 申込者ともう1名の収入を合算して住宅ローンの申し込みをすること。申込者の収入だけでは借り入れ希望額の条件に満たない場合に用いられることがある。収入合算できる人は配偶者のほか、直系親族、同居の家族、婚約者など近親者に限られる。

重要事項説明 不動産売買や不動産賃貸の契約を締結する前に、宅建業法で定められる契約によって重要となる事項については、必ず宅地建物取引士の資格を持つ者が説明しなくてはならないとするルール。高額となる不動産取引でトラブルを未然に防止し、安心して取引できることを目指す。

相続財産 相続や遺贈によって相続人が得る財産のこと。遺産ともいう。不動産や動産の物権、債権、債権、営業権などさまざまな権利が含まれる。相続税の対象となる場合と対象にならない場合がある。借入金の返済、未払金の支払いの義務といったマイナスの財産を引き継ぐこともあり得る。

相続時精算課税制度 60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に生前贈与がなされる場合に、受贈者が贈与税の暦年課税に代えて選択できる制度。相続時精算課税制度では2,500万円の特別控除があり、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税される。贈与者の相続発生時に支払った贈与税を相続税額から控除して精算を行い、相続税額のほうが小さい場合は支払った差額が還付される。

相続税 土地や建物などの財産を相続した際にかかる税金のこと。相続税には基礎控除額が設定されているため、相続する遺産総額の金額が少ない場合には、課税されない。基礎控除額以上の財産を受け継いだ場合は、相続税の申告が必要。なお、相続税の最高税率については、55%となっている。

贈与税 贈与税は現金や不動産などの財産を個人から個人へ無償で贈与された場合に、贈与を受けた人が課せられる税金のこと。1年間に贈与された合計額の110万円の基礎控除を超えた額に課せられる。20歳以上の子が65歳以上の親から贈与については、相続時に一括清算する相続時精算課税制度を選択することも可能。

贈与税の配偶者特別控除 婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産の贈与、または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合に、贈与税の基礎控除110万円に加えて、最高2,000万円までの特別控除が受けられる特例。

底地権 借地権等の地上権を設定している土地の所有権を底地権という。土地は地主のものであるが、底地権が設定させていると自由に建物を建てたり転売したりすることができない。完全所有権がないので、借地権者の制約を受けることになる。

損益通算 赤字をほかの所得で控除できる制度で赤字を他の黒字で差し引くことを意味する言葉。たとえば、不動産所得で赤字となってしまったときには、給与所得や事業所得などの黒字から、不動産所得の赤字を控除することができることが、所得税法69条でも認められている。

白地 公図上、地番が付されていない国有地を指す。白地の道路であることがほとんど。このほかに土手や資材置き場などのように市町村が把握や管理していない国有地もある。このように把握されていない白地は、いつのまにか隣接している民有地に取り込まれてしまうことも少なくない。

た行

耐用年数 マンション、アパート、ビルなどの建物が使用可能期間のこと。税務上では、減価償却費を計上できる年数や期間のことを指しており、財務省令にも定められている。この耐用年数は、個別的耐用年数と一般的耐用年数の2種類がある。

代理受領 債権者が債務者の代わりに第三者から支払いを受けること。いわゆる債権担保。住宅ローンを組む不動産の買主は、所有権登記のため代金の全額を支払うために、つなぎ融資を受けなければ物件を引き渡ししてもらえない。その負担をなくすため、金融機関が代金の一部を売主に代替する約束をするもの。

高さ制限 建築基準法や都市計画法などに基づき、用途地域や高度地区の種別などに応じて、土地に建てられる建物の高さの上限を制限する規定。用途における制限のほか、周辺の建物や土地への日照などに大きな影響を与えないように規定される。

宅地建物取引業 自らが行う宅地や建物の売買や交換または宅地や建物の売買や交換、貸借の代理や媒介を業として行うもので、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けた者。一つの都道府県で業を営むときは都道府県知事、複数の都道府県で業を営む場合は国土交通大臣から免許を得る。

宅地建物取引士 宅地建物取引士資格試験に合格し、さらに都道府県知事の登録を受けて宅地建物取引士証の交付を受けた者のこと。宅地建物取引士は、重要事項説明、重要事項説明書への記名・押印、37条書面への記名・押印などの業務を独占的に行うことができる。

建売住宅 土地と建物があらかじめセットになって販売されている新築一戸建て住宅。建売住宅は、すでに建物が完成されているケースと、これから建築される予定で未完成の状態で販売されているケースがある。基本的に購入者が設計を要望することはできず、購入前から事前に設計が決定されているケースがほとんど。

建物面積 建物面積は、建物の各階における床面積の合計。建築基準法でいう延べ面積と同じ。壁などの中心線で囲まれた部分の面積が床面積にあたる。ただし、床がない吹き抜け部分、バルコニーの先端から2mまでの部分、玄関ポーチ、ベランダなどは含まれない。延べ床面積とも呼ばれている。

短期譲渡所得 譲渡した年の1月1日現在において、所有期間が5年以下の土地や建物を売った際の所得額。短期譲渡所得額は譲渡価額から取得費と譲渡費用を控除し、それぞれの事情に応じた特別控除を差し引いて求められる。これがプラスの場合、所得税と住民税がかかる。

短期プライムレート 銀行などの金融機関が優良な企業向けに1年間の短期で融資する際の指標となる金利。金融機関ごとに譲渡性預金(CD)などの市場金利を参照して決定し、公表している。企業向け融資に加え、住宅ローンなど個人向け融資の金利を決定する際にも用いられる。

団体信用生命保険 住宅ローンの契約者が返済途中に亡くなってしまったり、高度障害状態になったりした場合に、ローンの残債を生命保険会社から支払われる保険金で弁済されるもの。契約者は生計を立てている場合がほとんどだが、一家の主に何かあった場合でも経済的に困らないように保険加入が奨励されている。

地域区 都市計画区域においてその土地をどのような用途に利用するか、どの程度利用するかなどを定めた街区。都市計画法第8条に規定されており、用地地域や特別用途地区など含め21種類ある。これらの種類に応じ、建築物の建築に必要な用途や容積率などの一定の制限が課せられている。

地役権 民法に定められた土地を利用する権利の一つで、一定の目的の範囲内において他人の土地を自分の土地のために利用できる権利。たとえば他人の土地を通らないと、公道に出られない場合の通行地役権の設定、などが挙げられる。

地区計画 その地区の課題や特性を踏まえたうえで、住民の合意に基づいたまち作りを進めるために制定された計画のこと。都市計画法第12条によって制度が定められている。名称、位置と区域、整備・開発や保全に関する方針などで構成される。

地目 土地の登記簿に記載されているもので、土地を用途により区分したもの。登記上の地目と実際の用途は必ず一致するものではなく、異なるケースもある。家屋が建っている土地ならば宅地、農地であれば、田、畑、獣畜を放牧する土地を牧場などとして、全部で22種類定められている。22の地目いずれにも当てはまらない地目は、雑種地と呼ばれる。

仲介 不動産の売買や賃貸の取引で、売主と買主、借主と貸主の間に立って契約を成立するために尽力することを仲介といい、媒介ともいう。主な業務は、売買物件や賃貸物件の販売、広告活動や契約条件の調整をして契約書類を作成する。契約完了後は引き渡しなどの事務手続きをする。

中間金 中間金は、売買契約が成立した後に買主から売主へ売買代金の一部として交付される金銭のこと。契約成立から義務履行(財産移転)までの間に支払われるため中間金という。中間金の支払いは売主と買主の合意のもとに決まり、交付された時点で代金の一部となる。

長期修繕計画 分譲マンションを10年、20年、30年と長期にわたって、一定の性能を維持して快適な居住環境を確保し、老朽化を防ぐために管理組合によって作成される長期的修繕計画。共用部分については区分所有者全員が維持管理かつ修繕を実施することが必要であることから、一般的に区分所有者は長期修繕計画で割り出された金額を修繕積立金として納めている。

長期譲渡所得 譲渡した年の1月1日現在において、所有期間が5年を超える土地や建物を売ったときの利益額。長期譲渡所得額は譲渡価額から取得費と譲渡費用を控除し、一定の要件を満たす場合は特別控除額を差し引いて求められる。

つなぎ融資 住み替えの際に売却より購入を先行させる場合や、住宅の新築時などに住宅ローンが借りられるまでの間、土地の取得費用や建築会社への着手金、諸費用など必要となる支払いに備えて借りる融資のこと。認められる資金使途は金融機関によって異なる。

定額法 建物や付属設備の減価償却をするための方法で「取得価額×償却率」で計算され、減価償却費額が毎年一定額となる。償却率は建物の種類や構造、用途などによって法律で定められた法定耐用年数に応じて、国税庁が公表する減価償却資産の償却率表を利用する。

定期借地権 借地借家法で定められている定期借地権の一つで、50年以上にわたって土地が利用できる借地権のこと。主に借地権つきマンションで利用されている。契約期間満了後は借地を更地にして所有者に返還しなければならない。定期借地権には、ほかに建物譲渡特約付借地権や事業用定期借地権がある。

定期借地権付住宅 一般的な住宅は所有権または更新が認められる借地権上に建つが、定期借地権の場合は契約時に定めた期間を満了すると更地にして地主に返還しなくてはならない。住宅の利用に期間制限があるため、通常の住宅より安く買うことができる。

定期借家権 契約期間を更新せずに、契約を終了させることが可能となる借家契約のことを指す。この契約では、契約更新を拒絶する際に、賃貸人の正当事由も不要。また、定期借家契約の契約期間には特に定められていない。定期借家権が施行されたのは、2000年3月1日からである。

提携ローン 不動産会社や住宅販売会社などの売主側が金融機関と提携して、買主側へ住宅ローンのあっせんを行う融資方法のことである。購入者はローン申請を早く行うことができたり、金利の優遇制度が受けられたりするなどのメリットがある。

抵当権 住宅ローン等の融資を受けた際に、借金の形として確保される権利こと。万が一、債権が弁済されなくなったときには、債権者は担保とした不動産を競売にかけてその代金を自己の債権の弁済にあてることができるようになる。

定率法 建物の減価償却法の一つであり「(取得価額-前年度までの償却費の総額)×償却率」で求められる。取得年度の減価償却費が高くなり、年と共に減価償却費が減少していくのが特徴。初年度の税金額を抑えたいときなどに有効。

手付金 住宅や土地などの不動産物件の売買契約を行うときに、買主側から売主側へ支払われる金銭のことを意味しており、契約成立の証拠となる。この手付金は最終的に代金の一部となるものであり、証約手付、違約手付、解約手付の3つのタイプがある。

手付金等の保全措置 手付金や内金など、買主側が物件の引き渡しの前に支払った金銭を、第三者に保管させるなどして保全すること。倒産などの事情で売主側が物件の引き渡しができないときに、買主側が事前に支払っていた手付金等が返還されるための措置。

転勤した場合の住宅ローン控除 万が一住宅の所有者が転勤となった場合、単身赴任として家族はその場に残って住み続けることで所用者が居住しているとしてみなされ、住宅ローン控除の適用を受け続けることができる。さらに所有者が単身赴任先へ住民票を移しても影響はない。ただし、家族全員で転勤した場合は誰も居住しなくなるために住宅ローン控除は受けられなくなる。もし数年後に転勤先から戻ってきて居住をはじめた場合、残存控除期間の範囲内であれば控除の再適用が可能。つまり、控除期間が延長されることはないため注意が必要。

等価交換方式 土地の有効活用の一つで、土地所有者がデペロッパーと共同でマンションなどの建物を建設すること。その際に土地の価値と等価になるように建物の一部を所有することができ、そこから収益を得ることができる。土地所有者は資金を拠出することなく、建物を所有することができるのがメリット。

登記済証 不動産について登記が完了した際にそれを証明するために、登記所が登記名義人に交付する書面。不動産に関する所有権の移転の登記や抵当権を設定したりする際に必要となり、権利証とも呼ばれる。2005年3月7日不動産登記法が改正されたことで廃止され、現在での本人確認は12桁の番号で構成される登記識別情報によって行われることになった。

登記簿 土地と建物に分けられており、表題部と権利部(甲区、乙区)から成り立つ、私法上の物的状況や権利関係を公示し保護するために記載された公の帳簿。不動産登記簿を確認することで、その土地・建物の所有権の移り変わりや抵当権などがついていないかなどということがわかる。土地登記簿、建物登記簿の2つがあり、これらは不動産を管轄している登記所に保管されることになる。

登録免許税 不動産の所有権を登記する際や、金融機関からお金を借りる場合抵当権を登記する際に登記所で納める国税を指す。不動産の所有者を明確にするための不動産登記簿に自分の氏名を載せる際に必要となる代金であり、原則現金にて納付される。

特殊関係者 特別な関係がある人のことを特殊関係者と呼ぶ。具体的には、その個人の配偶者および直系血族、生計を一にしている親族や売却した家屋で同居する親族、内縁関係にある人、家事使用人、その個人から金銭等の援助を受けて生計を維持しているものなどが該当する。

特定事業用資産の買換例 個人が事業用の資産を買換た際に、一定の要件のもとで譲渡益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができる特例のことを、特定事業用資産の買換例と呼ぶ。ただし、この特例によって譲渡益が非課税となるわけではない。

特定の居住用財産譲渡損失および繰越控除 住宅ローンの残債があるマイホームの残債を下回る価額で売却し、譲渡損失が発生した際に一定の要件を満たす場合は、譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得と損益通算して控除することができる。控除しきれなかった譲渡損失がある場合、譲渡の年の翌年以後3年まで繰越控除が認められる。

特定の居住用財産買換場合譲渡損失繰越控除 マイホームを売却して新たにマイホームを購入した際に、旧居宅の譲渡で譲渡損失が生じて一定の要件を満たす場合、譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得と損益通算して控除することができる。損益通算を行っても控除しきれなかった場合、譲渡の年の翌年以後3年まで繰越控除が可能。

都市計画税 地方税法によって定められているのが都市計画税であり、都市計画区域内の土地とか建物などに対して市町村が条例で税金を課すことができる。原則として市街化区域だけに課すようになっており、土地および家屋が対象。さらに固定資産税とは違い償却資産は対象外。

都市計画法 都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的として、1968年に制定、1969年に施行された法律のこと。都市計画法には、土地利用に関する計画、都市施設に関する計画、市街地開発事業に関する計画などの内容が定められている。

土壌汚染対策法 2003年2月15日に施工された、土壌汚染の状況を把握し、健康被害を防ぐことを目的とした法律のこと。土壌汚染の未然防止と汚染の浄化が対策であり、使用が廃止された工場や事業場、都道府県等が被害の生じるおそれがあると認めた土地に調査義務が発生する。

都道府県事務所 税金に関する手続きは国税については税務署、地方税については各地の都道府県事務所を通じて行われる。不動産に関する税金では不動産取得税をはじめ、所有中にかかる固定資産税や都市計画税の納付書の送付や納税が行われる場所となる。

都道府県知事免許 不動産会社などの宅地建物取引業事業者に対して、都道府県知事から与える免許のこと。この免許を受けた宅地建物取引業事業者は、免許事項を記載した標識を常にわかりやすい場所へ掲示することが法律によって義務付けられている。

取引態様 不動産の取引形態には売主、代理、媒介と3つあり、不動産の広告には必ず掲載するよう法律で定められている。媒介というのは仲介と同じ。不動産の広告に媒介と書いていれば、仲介料が発生すると思っていい。条件によっては仲介料が0円のところもあり。

地上げ 事業用地を確保するために、不動産会社が土地などを購入することを地上げという。借家人の立ち退き交渉を行い、地上権解消、家屋撤去なども行う場合がある。所有者や住民に対して、脅迫的に立ち退きを迫ることは、地上げの本来の意味ではない。

地下げ 抵当権や借地権などがついた土地を所有者から買取して、借地人や借家人などへその土地を売却すること。また、借地人が威嚇したり、建物に居座ったり、その土地を安く買いたたく行為のことを地下げと呼ぶこともある。

代諾許可 地主の許可に代わる裁判所の許可のことを代諾許可という。借地借家法第19条第1項によって規定されている。この代諾許可を取ることで、借地人は、地主の承諾が得られない場合であっても借地権を譲渡できるようになる。

建物買取請求権 借地契約が満了した際に、借地人が地主に対して建てた建物の買取るように請求できる権利を指す。借地権が更新されない場合、または借地上の建物を譲渡した場合に借地権の譲渡、転貸を地主が了承しない際に、この建物買取請求権が生じる。借地借家法第13条(旧借地法4条2項)にて定められている。

建物譲渡特約付借地権 設定した借地権が30年を超える場合、賃貸契約満了後に地主が土地に建てられた建物を時価で買取ることを定めた特約。定期借地権の一種。30年を超えると、地主は譲渡によって建物の所有権を得ることができる。借地人は借地権は失うが建物の売却益が得られる。

建物保護法 明治42年5月21日に施行された法律であり、正式には「建物保護ニ関スル法律」という。借地人が借地上の建物について保存登記をすれば、その土地の借地権を保有していることについて、別に登記をしておかなくても第三者に主張、対抗できることを規定した法律。平成4年8月1日に施行された借地借家法によって、現在は廃止。

貸宅地 借地権など宅地のうえに存する権利の目的となっている宅地のこと。つまり、第三者が家や店舗などの建物を建てるために借りている土地のことを貸宅地と呼ぶ。貸宅地の価額については、借地権、定期借地権、地上権などの権利区分によって評価が行われる。

地代等増減請求権 借地借家法11条において、地代等増減請求権が認められている権利のこと。借地契約は長期間に及ぶため、地価や経済事情の変動によって、最初に決めた地代が妥当な額ではなくなることがある。そのようなときに地代や賃料の増額、あるいは減額を借主と貸主双方から請求することができる。

賃貸事例比較法 不動産を鑑定評価するにあたり、不動産の新規賃料を求める手法の一つである。対象となる不動産と類似した不動産の賃貸借事例を収集・選択し、実質賃料に必要に応じて補正や時点修正を施し、地域要因の比較・個別的要因の比較を行って求められた賃料を対比して算出する。

地上権 トンネル、井戸、住宅など工作物等を所有する目的のために、他人の土地を使う権利のことを地上権という。民法265条によって規定された権利である。地上権を設定した場合には登記義務があり、地上権設定と記載されるのが一般的。

地番 一筆の土地ごとに登記所がつけられた番号を指す。公図を作るために明治時代に誕生したものであり、他の土地と区別するためにつけられた。(一筆とは土地登記簿上にて一つの土地を指す単位)地番は、市、区、町、村、字により地番区域が定められており、登記情報の取得、税金などといった公的に使う土地であり、住居表示とは異なる。

登記事項証明書 登記事務がコンピュータ化された法務局で、交付される証明書のこと。土地や建物の不動産所有者の名義人、所在地、権利をなど証明している書類である。登記事項証明書は、法務局で誰でも取得可能。その際には手数料が必要となる。

土地家屋調査士 土地家屋調査士法によって定められている国家資格のことである。不動産登記簿の表題部に登記すべき事項の登記申請を代理したり、土地の測量や家屋の調査などを行ったりする。また、土地の境界確定の立会いを行うこともある。

な行

農地法農地や採草放牧地の取り扱いについて定めた法律のことで、1952年に制定された。この法律により、農地の売買や貸し借り、転用などが規制されており、農地法に基づいた許可や届出が必要となる。また、農地を農業以外のものに転用したい場合には、都道府県知事の許可を受けなくてはならない。

2項道路建築基準法第42条第2項によって、道路であるものとみなされた道のことで、みなし道路、42条2項道路などとも呼ばれている。この2項道路に面している土地については、道路中心線から2m以内には建築ができないという制約がある。

年末調整給与所得が多く計算された分を翌年1月の給料で勤労者に戻すこと、もしくは、不足している所得税分を追加徴収することである。年の途中で退職し、給与総額が2,000万円以上となる場合は年末調整ができないため、確定申告が必要となる。

納税通知書市区町村から郵送されてくる文書のことで、地方税の税額や納付時期などについて記載されている。納税通知書が届く時期は、4~6月ごろとなっている。固定資産税や都市計画税に関しては、4期に分けた分割での納付も可能。

延べ床面積建物の各階における床面積のすべて足した合計を指す。ただし、吹き抜け部分やバルコニーの先端から2mまでの部分は含まれない。壁、柱の中心線で囲まれた壁芯面積。建築確認申請や登記の際には延べ床面積が表向きの面積となる。

は行

場所的利益マンションやビルなどの建物が存在することよって、その建物の所有者が享受する事実上の利益のことを場所的利益という。建物の時価を算定する際などに、この場所的利益が加算される。ただし、場所的利益という用語は、法律の条文では明確に定義されているものではない。

非堅固建物鉄骨鉄筋コンクリート造やレンガ造といった丈夫な「堅固建物」に該当しない建物のこと。木造建物など解体が容易な建物を指す。旧法によって、建物が堅固建物と非堅固建物に2分されている。堅固と非堅固の違いは、耐久性、材質、工法などからも総合的に判別される。

袋地袋地とは、他の土地に囲まれて公道に接していないために、公道に出ることができない土地のこと。ただし他の土地を通行する権利は法律によって定められているので、隣り合っている土地の所有者の合意を得なくても、その土地を自由に通行することができる。無道路地とも呼ばれている。

物納金銭以外のもので税金を納めることを物納という。税金は金銭で納付するのが原則となっているが、住宅や土地などを受け継いだ際の相続税に関しては例外的に物納が認められている。物納できる財産として認められるのは、不動産、船舶、国債証券などがある。

不動産取得税住宅などの建物、土地などの不動産を買ったときにかかる地方税のことで、新築や中古にかかわらず課税される。不動産取得税の算出方法は「課税標準額×税率」。毎年納税が必要な固定資産税と違い、不動産取得税は不動産を取得したときに一度だけ支払う。

分筆一つの土地を複数に分けるための手続きのことで、遺産分割しやすくなる、税金が安くなるなどのメリットがある。分筆を行うには、法務局への登記申請が必要。分筆を行った土地には、その土地の登記記録が作成され、新たな地番が付される。

法定地上権同一の人が所有している土地とそのうえの建物の競売が行われた結果、土地の所有者とそのうえの建物の所有者が違う場合がある。こうなると建物は存立根拠を失うため、建物に地上権が民法などの規定により設定される。これを法定地上権という。

筆界特定制度土地の所有者として登記されている人などの申請により、筆界特定登記官が実地調査や測量などを行い、外部の専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて土地の筆界の位置を特定する制度。筆界特定制度を活用することによって従来のような境界確定の裁判をしなくてもすむ。

不動産鑑定士国土交通省が実施している不動産鑑定士試験に合格して、国土交通大臣への登録を受けた者のこと。不動産鑑定士の登録を受けるためには、不動産鑑定士試験合格のほかに、2年以上の実務経験も必要となる。不動産の鑑定評価を行う国家資格である。

媒介不動産取引において、不動産会社が売主と買主の間に立ち、契約成立に向けた活動を行うこと。「仲介」と同じ意味で使われる。売主が複数の業者に依頼できる一般媒介、一つの業者のみに依頼する専任媒介、一つの業者に依頼し、売主が見つけた物件もその業者の媒介によって売却する専属専任媒介がある。

媒介契約不動産の売買や交換、賃貸借の取引において宅地建物取引業者が取引当事者の間に立ち、取引成立に向けて行われる契約。宅地建物取引業者は契約内容をめぐる争いを防ぐために、媒介契約の内容を示した書面を作って依頼者に渡す必要がある。媒介契約には、一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類がある。

配偶者の税額軽減住宅や土地などの不動産を配偶者が相続する場合に、配偶者の相続した割合が民法に定める法定相続分を下回るときは、相続税がかからない制度のこと。1億6,000万円まで、もしくは、民法に定める法定相続分のどちらか多いほうで相続税を税額控除する。

日影規制建築基準法の一つであり、中高層建築物が冬至の日を基準として、周囲の敷地に生じる日影の時間を一定時間に制限することで日照を確保し、住環境を保護するための規制。冬至は1年で最も影が長くなる日であるため基準として採用しており、冬至の日の午前8時~午後4時まで(ただし北海道だけは午前9時~午後3時)を基準としている。

非課税取引(消費)非課税取引とは課税されない取引つまり消費税がかからないことを意味する。国によって課税されるものと課税されないものが決められている。たとえば土地付き建物を購入した場合建物には消費税がかかるが、土地には消費税がかからない。土地には消費されないとみなされるため。

必要経費不動産所得などを計算する際に、差し引きされる経費のこと。必要経費として算出可能なものは、管理費、共益費、修繕費など。固定資産税、損害保険料、借入金の利息なども不動産所得の必要経費として差し引くことができる。

表示登記土地や建物などの不動産の物理的状況を表示するために、不動産登記簿の表題部になされる登記のことを表示登記という。表題部の表記に変化があった場合になされるすべての登記。建物を新築した場合には不動産登記簿を開設し表題部を設けるための登記。土地の場合は所在や地番、地目等、建物の場合は所在や家屋番号等が表示される。

標準建築価額建物の取得費の算出を行うときに、基準となる金額のことである。国税庁では、建物の標準的な建築価額表を公表しており、建築年度、木造や鉄骨などの構造別に新築当時の1平方メートルあたりの標準単価が記載されている。

風致地区都市計画に基づいて、自然環境が良好な区域や歴史的な街並みのある区域などを定めるもの。都市が持つ自然的な景観の趣きを維持する目的がある。都市計画法の一つで1919年に制定された。風致地区では建物の建築、木竹の伐採、水面の埋め立て等において許可が必要となる。

普通借地権平成4年8月1日に施行された改正された借地借家法で新たに創設された借地権。存続期間は最初は30年、1回目の更新は20年、2回目以降は10年となる。契約期間が満了しても、地主に正当事由がない限り、更新拒否はできない。

不動産鑑定評価土地や建物などの不動産適正な地価や価格などを鑑定すること。地価公示、地価調査、相続税路線価評価、固定資産税評価などが行われる。不動産鑑定評価を行えるのは、不動産鑑定士試験のすべてに合格し、国土交通大臣への登録を受けた不動産鑑定士である。

不動産所得家賃や地代などの不動産収入分から、固定資産税や修繕費などの必要経費を差し引いたものが不動産所得となる。不動産所得がある場合には、必ず確定申告が必要となり、税額を確定したうえで、税金を納めなくてはならない。

フラットフラットはフラット35を始めとする住宅ローンのこと。新古問わず借り入れができる。投資様には利用できないといった要件もあるので注意が必要。通常借り入れの金利には、年変動される。フラットは35年固定金利が特長とされている。

文教地区大学や研究所、図書館、美術館、博物館など教育施設が集まっている地区を指し、都市計画法で定められた特別用途地区の一つ。教育上好ましくないような業種、たとえばパチンコや映画館、バー、モーテルなどの建設について規制されている。市町村により指定されている地区で、建築規制の内容は市町村ごとの条例によって異なる。

変動金利住宅ローン借入時から完済までの期間の間に、定期的に金利が見直されて変動する金利タイプ。半年ごとに見直され、金利が下がると返済額が減ることになり、反対に上がることで返済額がアップしてしまう。ただし、見直しの際に返済額が変わるわけではなく、返済額の変更は5年毎に行われる。景気などによって大幅に金利が上がるケースもあり、こうしたときのために金利見直し後の返済額は、前回の125%までしか上がらないという決まりがある。

防火地域火災の危険を防除するために定められている地域のこと。都市計画法第9条20項によって、市街地における火災の危険を防除するため定められているエリアのことを指す。また、燃えにくい屋根や外壁を使わなければならないなど、建築基準法によって、具体的な規制が定められた地域も防火地域となる。

法定相続人民法で定められており、亡くなった人の配偶者は必ず法定相続人となる。配偶者がいない場合、または配偶者に加え、次の順序で法定相続人が決まる。第1順位は子および代襲相続人、第2順位は親や祖父母などの直系尊属、第3順位は兄弟姉妹およびその代襲相続人。

法定相続分法定相続分は民法で定められる。配偶者と子供が相続人である場合はそれぞれ2分の1。配偶者と直系尊属が相続人である場合は配偶者が3分の2で直系尊属が3分の1。配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合は配偶者が4分の3で兄弟姉妹が4分の1。子供や直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合は、それぞれの法定相続分を等分する。

法定耐用年数不動産において、土地は時が経っても劣化しないため耐用年数という概念はないが、建物に関しては時の経過とともに劣化していくため耐用年数がある。法定耐用年数とは、価値を公平に算出するために税法上で設定されている年数で、建物の用途や構造ごとに定められている。

ボーナス時加算住宅ローンの返済方法の一つである。年2回のボーナス時に、毎月返済分に加算して返済することをボーナス時加算といい、毎月返済額を減らせるというメリットがある。ボーナス時加算は、ボーナス払いとも呼ばれている。

ま行

無断譲渡賃貸人の承諾を得ずに、無断で賃借権を譲渡してしまうこと。民法612条によって、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、または賃借物を転貸することができないと定められている。もし違反した場合には、貸主は契約を解除することができる。

名義書換料土地や建物など不動産の賃借権を売却し、転貸を行う場合に、支払われる金銭のことを名義書換料という。賃貸人の承諾の対価として、賃借人から賃貸人へ支払われるものである。名義書換料は、承諾料と呼ばれることもある。

滅失建物が解体され、物理的な効用がなくなってしまう状態。建物をすべて取り壊した、消失した、などのケースが挙げられる。登記された建物を滅失した場合は、滅失から1ヶ月以内に建物滅失登記に申請しなければならない。

無地番法務局に備え付けられている公図において白地とされている土地。番外地や無番地とも呼ばれる。国有地や公有地が主だが、国有地だった土地が民間に払い下げられた場合や、埋め立て地のように土地として認定されていない地域も無地番扱いになることがある。

マイホームを売ったときの軽減税率特例10年以上住んでいたマイホームを売却する場合、支払い義務が発生する譲渡所得の税率を軽減することができるという特例のこと。居住用不動産を売却した際の3,000万円特別控除の特例とも併用できる。確定申告が必要。

みなし道路建築基準法第42条2項で定められた道路であるとみなされた道路のこと。法律の中では2項道路とも称する。建築基準法第43条では、建築物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないとされているが、この建築基準法上の道路は、幅が4m以上であることが必要。日本では未だ4m未満の道が存在し、条件を満たすことでみなし道路、つまり2項道路になる。

持分不動産を共有する場合などの、共有者それぞれが所有する割合。たとえば、一つの土地を3人で共有し、それぞれが同じ割合で所有するのであれば、持分は3分の1ずつとなる。所有に関する法律関係も持分に応じて行う。

や行

用益物権他人が所有する土地を一定の目的のために使用・収益するための権利。民法上には地上権、地役権、永小作権などが定められている。物権の一つであるが、全面的な支配権を持つ所有権に対し、一定の目的のための使用・収益に限定されることから制限物権に分類される。

容積率敷地面積に対する延べ床面積の割合を指す。2階建てや3階建ての場合、すべての床面積を合計して計算されるもの。つまり建物の高さを制限する役割がある。これは、道路など公共施設とバランスを保つため、そして周辺の居住環境を保護する意味で、都市計画における指定容積率が決められている。

用途地域用途地域とは都市計画法に基づく制度で、建築基準法により建物の種類や用途、容積率など建築できる建物を定めた地域のことをいう。建物を規制することで住環境の保護や業務の利便を図ることができる。用途地域は13の種類があり、住居系、商業系、工業系と3つに大きく分けることができる。

ら行

罹災都市借地借家臨時処理法天災で借地やが減失した場合、借家人が優先して借地権を与えられたり、再築された建物が借りられたりすることを定めた法律。2011年に東日本大震災が発生した影響で施行が見送られ、2013年9月に廃止された。現在は「大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法」が施行されている。

利回り利回りとは、利益がどれだけ出たかを表す。表面利益ともいう。利回りには表面利益と最終利益がある。単純には利益を投資額で割ると計算できる。投資額には固定費や売上にかかる費用等が含まれていない点に注意が必要である。収益がよくても経費がかかれば手元に残る利益は少なくなるからである。

路線価路線価とは国税庁が公示価格や売買実例価格、鑑定評価額などを参考にして市街地の道路に沿った宅地の1平方メートルあたりの評価額をいう。毎年1月1日時点の評価額を8月上旬に発表され、相続税や贈与税、固定資産税の評価基準となる。

利子補給国や自治体、企業などが一定期間、住宅ローン金利の補てんをすること。自治体などが住民の住宅取得を促進するとき、被災者の住宅再建を支援するときなどに行う。一例として「融資あっせん制度」「助成金制度」などがある。

連帯債務一つのローンに対し、複数の債務者が連帯して返済義務を負うこと。返済が完了するまでは、債権者がすべての債務者に対して弁済を要求できる。夫婦が連帯債務で借り入れする場合は、収入の比率などにあわせ住宅ローン控除を受けることもできる。

ローン特約不動産の購入時に、売主と住宅ローンを利用する買主の間で結ぶ特約。内容は、住宅ローンを利用する予定の買主が金融機関から融資を受けられない場合には、無条件で契約を白紙に戻せるというもの。契約書にローン特約の条項が記載されていれば、買主は手付金の没収や違約金の請求をされずにすむ。

わ行